6.10.2017

タイは階級社会である

朝5時頃、ファラン(白人)の叫び声があがる。

「まだ夜だぞ!だれが電気をつけた?」
「だれかがいびきをするせいで眠れない!」

たしかに電気がついたのは謎だけど、そんなに文句あるならシングルルームに泊まれよ!というかお前のせいで眠れねーよ!

……とカプセルホテルに蜂の巣状に詰めこまれた10人の異邦人全員が思っただろう。


なんとなく平和そうだな~物価安そうだな~ということでタイへ来たので、タブーのようなものを知らなかった。

タイでいちばん偉いのは王族、次に仏僧で、このふたつは雲の上の存在。女性が仏僧に触ると重大犯罪や、国際問題に発展することもあるので注意……。上座部はエリートの仏教であり、厳しい義務と戒律があるのである。肉食セックスなんでもござれの日本仏教とは違うという。

大衆クラスでもエリート層と貧困層は明確に区別されており、身なり、整った髪型などで判断される。とくに身なりは大切で、よれよれのTシャツ、短パンで過ごすことは階級的に下と見られ、デパートなんかは入っていけない(入ったけど)。このよれよれ短パンが許されるのはタイではファランのみである。

そう、タイではファランは白人というだけで人種的な強者となっている。

広くアジアの国々(というか世界の陸地という陸地)は、ヨーロッパ諸国に支配された歴史がある。

タイは東南アジアにおいてその唯一の例外であって、西はイギリス系のマレーシア、ミャンマー、さらにインドに、東はフランス系のカンボジア、ラオス、ベトナムに囲まれている。

ヨーロッパ諸国に支配されていた国。
青がフランス系、赤がイギリス系。日本とタイは支配されたことがない。

が、これは別段タイが強硬的抵抗したとか、軍事的に強い国だったというわけではなさそうである。タイがフランス・イギリス、いずれの領地になったとしても、なんとなく「アンバランス」になることは地図を見ればわかると思う。


英仏の二大勢力に対する「緩衝地帯」という見方が一般的であるらしい。

まあ長々と書いてみたのだが、タイにおいて白人が上位階級に置かれているのは歴史的経緯があるようだということ。

アホみたいに日系企業が進出しているタイではあるが、日本人の地位はそんなに高いわけではなくて、タイ人よりちょっと上程度ということらしい。第二次大戦でタイは日本帝国と協力的な枢軸国であったものの、日本軍の駐兵・進駐を認めていた程度であり、植民地支配を受けていたわけではない。


白人アルビノ説について考えている。彼らは黒人に差別され、追放された歴史を持つ。その怨恨が現今の人種差別につながっているのではないかということである。トンデモな話だけど、神経症でフロイト学者である岸田秀がこの説を熱烈に支持しているのでなんとなく私もそうなのかと思ってしまう。
 「(ヨーロッパ人は)差別され追っ払われた連中に違いないんですよ。黒人たちのあいだにアルビノの白い子たちができて、みんなに気味悪がられて嫌われて、北方へ追われたとしか考えられないですね」(「一神教vs多神教)
つまりアフリカからヨーロッパに追放されたのが白人たちだったと。

宇宙の根本原理であるところの「作用反作用の法則」がここで成り立つのだろうか。「まぼさく」風に言えば「やったことはかえる」ということである。まず黒人が白人差別をした。次に白人が黒人(有色人種)差別をした。と、こう考えると数千年の壮大な歴史がシンプルに説明できる気もする。

彼らはこのタイの歓楽街において、王者のようである。白人というだけで、そう扱われるのである。この地は白人たちが数千年の間思い描いていた理想郷なのかもしれないな、ということを考える。

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